yashiganiの英傑になるまで死ねない日記

週末はマスターバイクでハイラルを走り回ります

DQ9の職業システムは武器本意システム

今回のDQにはシステムの大きな目玉として“職業システム”が採用されている.
過去のDQにも同様のシステムが存在するのだが,本作においては過去のものを昇華し,より洗練されたものになっている.
むしろ本作のものは職業システムを超え,“武器本意システム”とさえいえると考えている.


そもそも,過去のDQの職業システムというものは3型と6,7型の2種類に分けられる.
詳しいものはWikipediaの各項を参照してほしいが,簡単に説明すると,

  • 3型::職業システムが初登場したが,洗練されているとはいえない
    • キャラクタ = 職業なので装備できるものは職業依存
    • キャラクタのレベルが職業の熟練度になる
    • 一定のレベルまで転職できず,上級職はひとつ
  • 6,7型::職業システムを取り込むことで幅ができたが・・・
    • ユニークなキャラクタが存在し,それぞれに職業をつけられる.装備品はキャラクタごとに設定
    • 職業ごとに熟練度が設定され,レベルとは別の成長度合いになる
    • 多種多様な職業が存在し,職歴により上級職に転職できるようになる


3型の場合は各キャラクタにプレイヤが独自の設定を付加しキャラメイクを楽しめるが,職業の幅が狭く同じ職業のキャラクタを作るとその間に差がなくなる.つまり,キャラメイクに重点を置いているがハードの制約もあり物足りない感じがする.
変わって6,7型では職業の幅が多い点で育成のおもしろさができたが,個性的なキャラクタに職業をのせることで各キャラクタごとにあるはずの個性が消え,強い・使える特技を覚えることが転職の目的になる.
特に6,7では職業システムで強力な特技を習得してしまえばゲームが陳腐になり,作品の評価を下げることにも繋がった(と思う).


本作では3型がベースになっているのだが,DQ8で初登場した“スキルポイントシステム”を取り込むことで大きな進化を遂げている.
スキルポイントシステムDQ8DQMJで登場したシステムで,キャラ育成に幅をもたせるために導入されたものだった.
しかし有限なスキルポイントをいかに効率良く割り振るか,ということだけに気をとられ,ただでさえおつかいゲーなのに育成まで邪魔臭くなってやってらんねえという感じだった.
そう,自分はスキルポイントシステムに違和感を感じDQ離れを起こしていたクチの人間で事前情報が出たときに「またスキルかよ」と感じてさえいた.
しかし,本作ではこのシステムを職業システムに取り込むことでキャラに個性が生まれ,キャラメイク・育成ともに自由度が格段に上がったと考えている.


本作のシステムでは各職業に共通の武器系スキル4つと職業ごとにユニークなスキル1つが設定され,レベルアップ時に得られるスキルポイントを各スキルに自由に割り振ることができる.
ここで重要なのは武器系のスキルが各職業に横断している,ということだ.
例えば,真田幸村をイメージした“ゆきむら”と伊達政宗をイメージした“まさむね”というキャラを作成したときに両方戦士系の育成をしたい.
戦士は剣・短剣・槍のスキルを持つので,BASARAにのっとりゆきむらの武器は槍,まさむねの装備は剣を選択する.
すると,同じ戦士でも“槍使いの戦士”と“剣使いの戦士”と扱う武器によって差別化できる.
さらに槍使いに設定のキャラは僧侶やパラディンなどに転職してもこれらの職業は槍を装備できるので設定を無視して無理に他の種類の武器を使わなくてもいい.
さらに過去のDQだとこんぼう->銅の剣->ブーメラン->チェーンクロスのようになんぼほど色んな武器つかえんねん!ってなっていたものが,スキルポイントのおかげで「剣はうまく使える」「短剣,杖はそこそこ使える」みたいに武器種ごとに熟練度が見えるようになってリアルになった.


武器のスキルを主に職業システムを加えたことでより現実に沿ったキャラ育成ができるようになり,ただのおつかいゲーと化していたDQにキャラメイク・育成のおもしろさが増え一段階進化した,と評価できる.
結局なにがいいたいかというと,キャラ育成が楽しすぎて全然ストーリーが進みません.誰か助けてください.