yashiganiの英傑になるまで死ねない日記

週末はマスターバイクでハイラルを走り回ります

これからマネージャーになるエンジニアのあなたへ

こんにちは、新米ディレクターのid:yashigani_wです。 この記事ははてなディレクターアドベントカレンダー2日目の記事です。昨日はid:moretそろそろ5年生なので右も左もわからない新卒のころの自分にアドバイスする - el cineでした。

私は8月にアプリケーションエンジニアからディレクターになりました。 はてなではディレクター職には担当するサービスの成長に責任を持つプロダクトオーナーとしての役割と、担当するチームの成果を最大化するマネージャーとしての役割が求められます。 マネージャーというと、多くのエンジニアはあまりなりたがらないとおもいますが、それはマネージャーに求められる責任を具体的にイメージできないことや未知の仕事に対する不安からではないでしょうか? この記事は私の経験から、これからマネージャーになるエンジニアに向けてマネージャーがまず意識すべきことと、最初に陥るであろう不安を解消するためのアドバイスです。

自分で手を動かさずに任せる

マネージャーになったらメンバーを困らせないように具体的に企画して細かく仕様を決めよう、なんてそういう気持ちを持っていないでしょうか。 特にエンジニア上がりでマネージャーになると、過去に困ったことがある経験から企画や仕様を細かく噛み砕いてからメンバーに任せようとしてしまいます。 本来それはマネージャーがすべきことだったのでしょうか?

確かに、メンバーが意識すべきことに集中できるように情報をまとめたり適切な粒度で仕事を任せる能力は、マネージャーに求められる資質です。 一方で、過度に踏み込むことはメンバーに対する信頼の無さの裏返しと取ることもできます。 メンバーは任された作業を黙々とこなすだけの機械でなく、問題を自ら考え解決することができます。 これは当たり前のことですが、エンジニア上がりのマネージャーは自分でも問題を解決することができるため、意外とそのことに気が付きません。

さらに、自分のマネージャーとしての経験の無さを補おうと自分の慣れた仕事でカバーしようとしがちです。 開発もマネジメントも卒なくこなすイケてるマネージャーはわかりやすい理想像なのでそれに引っ張られてしまいますが、ただでさえ初めての働き方をしているのですから気持ちをぐっと抑えて一旦はマネージャーに集中すべきです。 担当するメンバーより詳しいことを把握できっこありませんし、細かく指示することは本人の成長にもつながりません。 事前に障害を取り除いてから渡すのではなく、問題が起きたら手助けするくらいの気持ちで仕事を任せたほうが結果的にうまくいくことが多いです。 まずは自ら手を動かさずに仕事を任せ、一歩引いた状態で関わる勇気を持ちましょう。

自分が裸の王様だと感じたら

現場の仕事から離れてしばらく経つと、自分はまったく価値を生み出しておらずチームにとって必要の無い人間である、このようなゴミクズは必要とすらされておらず自分はマネージャーにふさわしくないいう気持ちで頭がいっぱいになることがあります。 これはインポスター症候群と呼ばれ、一般的に見られる心理状態のようです。 褒められても褒められた気がしないと感じた経験がないでしょうか? 他人の評価を素直に受け入れることができず、著しく低い自己評価をしてしまうのがインポスター症候群の症状です。 これは孤立を感じるときなどに起きやすいそうです。 特にエンジニアはコードレビューなどで承認される機会が多いですが、チームから少し距離を置きマネージャーになるとそういったフィードバックの機会がなくなり良くない心理状況に陥りやすくなります。

そういうときは、チームのメンバーと会話する機会を増やしましょう。 例えば、チームで問題と感じていることを聞き出してみても良いです。 メンバーが問題だと感じていることが自分が感じている問題と一致しなければ、自分の働き方は間違っていない証明になります。 同じ問題意識を持っているならば、問題をあぶり出すことができたので対策ができます。 逆に、自分だけで抱え込むのではなく素直に自分の気持ちをメンバーに相談してみるのも効果的です。 人に相談するには自分の中で問題や気持ちを整理する必要があるため、その過程で不安が解消されるかもしれません。 また、それを耳にしたメンバーはきっと協力的な態度をとってくれます。

どちらにせよ、マネージャーが感じる不安を取り除く手助けになることは間違いありません。 大事なのは、自分とチームの距離を近づけお互いに協力し合える関係を作り、チームに自分の居場所を作ることです。

振り返ると、私が「うまくできている」と感じるときはチームとのコミュニケーションが十分にとれているときが多いです。

さいごに

エンジニアにとってマネジメントはそれまでと全く異なる仕事で、正直面倒事も多いです。 しかし、マネージャーは関わるチームの規模と同じだけ自身が影響できる成果が大きく、チームと共にうまくやれたと感じるときは今まで感じていた達成感とはまた違ったうれしさがあり、やりがいがあります。 新たな領域にチャレンジするには大きな不安がつきまとうことになるとおもいますが、恐れずに挑戦してほしいです。 この記事がこれからマネージャーになるエンジニアにとって少しでも助けになることを祈っています。

明日は、id:chris4403です。お楽しみに!